耐震を検討しよう

2016/08/23

専門機関に聞く★管理組合の視点で管理組合をサポート〜日住協インタビュー1

前篇:マンションの管理組合をサポートする日住協とは?

 

NPO日住協(特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会)は、マンションの管理組合をサポートしてくれる専門機関。これまで多くのマンションの課題や悩みを管理組合の視点で相談に乗り、解決の手助けをしてこられました。そこで今回は、川上湛永会長と上地光男理事長にインタビュー!日住協の取組や、今後の課題となる耐震化への指針などをお聞きしました!

 

 

‐日住協の設立目的や理念について教えてください。

日住協は1969年の10月に誕生しました。当時は集合住宅といえば公団住宅がほとんどで、ひとつの団地では解決しにくい問題を、皆で集まって解決していこう、との目的で設立されました。「管理組合による、管理組合のための、管理組合団体」として、管理組合を支援しています。

 

‐どんな組織ですか?

管理組合単位で入会する「正会員」、個人で入会する「個人正会員」、日住協の取組や理念に賛同していただいた企業や団体が入会する「賛助会員」で構成されています。理事は現在12名で、全員が管理組合の理事長経験者です。経験を活かして、マンションの管理組合が抱える課題解決のために様々な取り組みをしています。マンション管理のノウハウについて詳しく、日住協の理念に賛同してくれた建築士や設備設計士、弁護士などの専門家にも協力してもらっています。

 

‐日住協の会員になると、どんなメリットがありますか?

国や自治体のマンションに対する施策やマンション管理の事例などを取りまとめて情報発信をしています。日住協が催すセミナーや研修会でこれまでのマンション管理における様々な事例を知ることができますし、広報紙「アメニティ」は、会員の管理組合全戸に配布できる部数をお届けしています。 また、法律や建物・設備管理など専門家に相談する機会を設けたり、一般的な管理組合運営の相談も随時受け付けています。

広報誌「アメニティ」

 

‐相談を受け付けてもらえるのは、心強いですね!

マンションは、完成して初めて出会う人ばかりが同じ建物の中で生活しますから、いろいろなトラブルが起こるのは当たり前。ただ、そのトラブルの傾向はどのマンションでも似通っていているんですよ。マンション同士の付き合いがないのでわからないだけで、同じような事例が少なからずあります。日住協では、これまでのマンション管理における様々な事例が整理されて蓄積しているので、解決のための材料を提供することができます。 ただし、日住協は材料や情報の提供はしますが、あくまで最後は管理組合自身が選択・判断することが大切です。

理事長の上地光男さんにお伺いしました

 

‐どんな相談が多いですか?

住民同士のトラブルから瑕疵(欠陥)まで多岐にわたりますが、管理会社とのつきあい方に関する相談も多いですね。管理会社はビジネスですから、様々なサービスを提案します。しかし、それが本当に住民のためになっているか、管理組合が判断することは難しいですよね。日住協に相談していただければ、他のマンションの事例をお話できるので、比較しながら判断することができます。

 

‐マンションにとっての大きな課題である、大規模修繕や耐震工事についての相談はありますか?

6年前から「大規模修繕サポート事業」をスタートしました。受託料がかかるのですが、始めた当初から反響が大きく、これまで30件以上を受託しました。大規模修繕は何千万ものお金がかかることは珍しくないですから、こんな大きなお金を管理会社や施工会社の提案をそのまま受け入れることに疑問や不安を感じる管理組合が増えています。日住協は難しい専門用語をわかりやすく説明したり、専門家への橋渡しをしたり、事例を提供したり、判断する材料を提供しますので、管理組合が納得できる大規模修繕をして、暮らしやすい住まいを実現してもらえるようにサポートします。 耐震工事も命に関わることですし、管理組合にとっては最優先で取り組まなくてはならない課題ですが、まだ事例は少なく、耐震化への動きも鈍いように感じています。今後は日住協として、積極的に情報発信して提案していかなければならないと考えています。

会長の川上湛永さんにお伺いしました

 

多くの課題を解決してきた日住協は、マンションの管理組合にとっては心強い味方じゃ!困ったときに相談すれば、いろいろな情報を提供してくれるぞ!

次回予告:

次回は、いよいよ「日住協が考える耐震化」について。耐震化を目指す管理組合にとって役に立つアドバイスが満載じゃ!

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